The 8th VFR BEAT-TRIBE CUP

DATE 2006.02.13
PLACE DIFFER有明
Version Virtua Fighter4 Final Tuned
ENTRY 180 TEAM
WINNER 大仏パンチ
千人斬り/マスク・ド・ヒジテツ/エド/暇神/みんみ
MVP 千人斬り
BEST BOUT 千人斬り VS イトシュン 

2001年7月から足かけ5年近く続いた「VF4」シリーズの“集大成”と銘打って開催された通算20回目の記念大会。過去を振り返っても、 節目にあたる大会には何か卒業式にも似た感覚をプレイヤーに喚起させ、それが何ともいえない[共有感]を生み出してきた。 VFの価値観にそれなりの温度差が存在した同シリーズデビュー組は、もはや完全な主流となっていた訳だが、 そんな彼らが[共有感]を糧に奮起するというところにまで発展!?その姿に否応なく時の流れを感じるのであった(苦笑)。

モチベも高まる背景も手伝だって、新旧勢力の攻防はのっけからヒートアップの様相を呈す。予備予選は新興チームに混じって お約束の古豪チームも名を連ねていたが、何と4枠内3枠を独占するという古の力を発揮!(【運がいい】に至ってはW優勝という血気盛んぶりw)。 また予選リーグにおいては、【男盛り】の「ちくりん」が、大本命【(有)原黒商事】向こうに見たこともない“奇跡の絵面”を提供。 出足の悪かった「ふ~ど」、「いのっち」を立て続けに倒すと、大将「板橋ザンギエフ」相手に速攻で2本取り“マッチポイント×3”まで追い詰めたのである!! 残念ながら第2のヒゲラウ(※第3回BT杯参照)とまではいかなかったものの、“ベテラン侮れし”を強く印象付ける出来事となったのはいうまでもない。

ただ、決Tに入ると今度は現行勢力が輝き出し、ギャラリーを釘付けにする。「VF4」の歴史とともに歩み、まさしく総決算的チーム構成で挑んだ【(有)原黒商事】は、 わずか数十秒足らずのチーム紹介のためにコンパニオンさえ審査する磐石の体制で臨んだものの、あろうことか2連覇を目指す【大仏パンチ】と1回戦で激突するハメに。 ほぼ全員の目が注がれる中、共に期するものを前面に押し出しながら息詰まる攻防を展開、それは同時進行する試合の気配さえ消し去るほどであった。 そして大将戦「ふ~ど vs こえど」の頂上対決でピークを迎え、これを2年連続で「こえど」が激勝するのであった! かくして一時代を築いた(!?) 原黒、悲願の初優勝はここで潰える形となった。この大一番をモノにした【大仏パンチ】は、その後、順調に勝利を2つ重ね、【太鼓部屋】に続く連覇の権利を手に入れる。

一方、前出2人の活躍で見え難かったものの、ここに来て頭角を現してきた「千人斬り」率いる【フリーソウル】は、準々決勝の大一番【太鼓部屋】戦を 「暇神」の2タテ(養老、超南晶)等の活躍によって切り抜けると、遂には大将戦を一度も経験することなく決勝に駒を進めることとなった。

両者、最高の切り札を持ち合わせ、その2人による大将戦をぼんやりと思い浮かべるファイナルであったが、伏兵「みんみ」が「こえど」と刺し違える勢いで勝利!

一気に両者のバランスが崩れるかに思われた。しかし、連覇を狙うチームはここから副将「イトシュン」が踏ん張り、連勝の末、逆に大将「千人斬り」を先に引きずり出す “懐の深さ”を見せるのであった! そして尚も勢いを増すBRの前に防戦一方のKA、遂にはウイニングP×3が点灯! 万事休す、 無常にも残り数センチとなったKAの体力から見出せるものは皆無に等しく、誰もが逆3タテを目前に控えた「FT覇者」のラストダンスに酔いしれていた、が、しかし! “あと一撃”となったファイナルショットが決められない、決められない… 消えかかったかすかな鼓動は、やがては確かな音となって未曾有の進化を遂げたBR使いに 効果的なプレッシャーを与える。刹那、 『凌いだー!』衝撃を伴って成就した大逆転劇は両者、持てる力全てを発揮した“異次元”ともいうべき攻防の連続であった。

迎えたシリーズ最後を締める大将戦は「千人斬り vs ジン」、VF4世代同士の意地とプライド を賭けた同キャラ対決となった。当然の如く、流れは依然として 「千人斬り」の手の内にあり、電光石火の2ポイント連取!“逆ウイニングP×3”はあっけなく点灯する、ただ大舞台での経験則を持ち合わせる「ジン」は、 追い詰められながらも吹っ切れた立ち回りで確実にポイントを奪い、「イトシュン」戦とは立場が真逆という心憎い盛り返しでプレッシャーを与える、そして…

ギャラリー全てが待ち望んだ4年振りの「ファイナルラウンド」に突入! 『ジュ、ジュ、ジュ』見る者を突き放す凄まじいまでの避け合いは、スタイルこそ違えど 「闇よだれvsニャン兄」戦を彷彿とさせ、それこそ究極進化したKA対決の最終形態を感じさせるものであった。勝負の行方が二転三転する息詰まる差し合いであったが、 このFT最後の戦いに力強いピリオドを打ち込んだのは、誰もが賛辞を送るであろうパフォーマンスをこの土壇場でも発揮した「千人斬り」であった!!

かくして選ばれし者だけが立てるこの舞台で繰り広げられたものは、間違いなく5年間の集大成といえる極まった戦いであった。そして、そこから生まれたものは 「KA新盟主」の高らかな宣言と、10年振り史上2人目の「レディース覇者」誕生という2つの大きな歓喜であった。